小児期トラウマを持っていると、人との関わりにおいて、投影・転移を多く起こし、人間関係が難しくなります。パートナーシップへの影響は非常に大きなものですが、学びの場や職場、プロジェクトなど、社会との関わりやチームワークへの影響も決して見逃せません。
あらゆる人との関わりにおいて最大の課題は、“孤独”です。“孤独”は、あらゆる形をとって現れます。相手に望まれてもいないのに、相手の下に入って世話をしようとしたり、また、上になって世話をされようとしたり、様々な不健全な関係性のパターンとして現れます。これらは、すべて子ども時代の“孤独”からくるパターンで、なんとかして相手から愛をもらおうとする愛の戦略です。ですが、これは無意識のものなので、本人は気がついていません。また、子ども時代に作り上げた自分自身への思い込み(私は悪い子だ、私は人に嫌われる、私は人の迷惑をかける等)が、無条件に大人になっても強く保持され続け、関係性を難しくしてしまうこともあります。愛の勘違いについても、気をつけておく必要があります。それがどんなに自分や他人を幸せにしないとしても、親から受けてきたコミュニケーションパターンを繰り返してる場合があります。どんな場合においても、人との関わりの難しさがあるとしたら、そこには“孤独”があることをわかっておきましょう。“孤独”の癒しが、あらゆる人との関係性の難しさを溶かしていくでしょう。