目次
2種類の関わり方
人と人との関わりは、大きく分けて、2つのやり方で行われる。
一つは、言語や行動という《目に見える関わり》。
もう一つは、非言語的、非行動的でありながら、潜在意識のレベルで交流する《目に見えない関わり》。
前者は、私たちが通常、意識的に認識できる関わり方で、それは、挨拶するとか、微笑むとか、目に見えて、耳で聞くことができる関わり方と言える。
そして、後者は、意識的には理解できない関わり方で、抑圧されて表現されない感情によっても、私たちは無意識で交流している。
「家族にあった不幸が、その後三代は影響する。」なんていう「嘘か誠か!?」みたいな話も、この法則のことを語っていて、それは、実は三代どころではなくて、もっともっと下の代まで影響する可能性がある。
語られないもの
抑圧されて語られなかった出来事が、無意識で世代を超えて受け継がれることが、ファミリーコンステレーションの世界では明らかになっている。
そして、実は、そっちの方が、言語や行動による意識的関わりよりも、はるかに威力があることが知られている。
つまり、逆を言えば、内側に秘めたものは、遠慮して語られないでいるよりも、堂々と語られることで、さほど影響を持たなくなる。
だけど、語られずに、抑圧されたものは、そこにくすぶり続け、元あったものよりも複雑なものを形成していく。
最初の物の原型をとどめてはいないから、後から出来上がったものを見たって、それが後付けの偽物だなんて、誰も気がつかない。
そして「なぜ、それがそこにそのようにあるのか?」という答えはわからないまま、それはそこに居場所を見つけてしまう。
それは、まるで、招かねざる客が、勝手に家の中に上がり込んできて、ちゃっかり自分の部屋を見つけてしまってるようなもの。
運命とか、性格とかいうものは、大体こんなものかもしれないと思う。
悲しみが悲しみのまま
恐れが恐れのまま
怒りが怒りのまま
喜びが喜びのまま
ただ、そこにありますように。
2020.5.23
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