家族の問題を当事者だけの問題としては扱わず、“家族システム”の問題として捉えるとことで、解決への糸口が見えていきます。まずは、家族システムという概念について理解しましょう。
家族システムとは、家族を構成する個人が、お互いに影響し合うシステムです。家族システムは、言語コミュニケーションは当然ながら、非言語コミュニケーションを通して、家族のメンバーの健康や幸福に大きな影響を与えます。子どもたちの自我は、家族システムの中で育ちますので、機能不全家族においては、子どもたちの自我形成にも機能不全が生じやすくなります。家族システムが機能的であれば、家族の成員はお互いに支え合い、成長を促し、また、自立がスムーズに進みます。しかし、家族システムが機能不全に陥ると、家族の成員は、ストレスや不安、孤立感などの問題を抱えたり、依存して関係がこじれたり、家族からの自立が難しくなります。ですから、家族に生じている問題は、その当事者の問題としてではなく、家族システムの問題として捉える必要があります。逆に言えば、家族に生じている問題を、当事者一人の責任にしているうちは、問題は解決には至りませんし、負の世代間連鎖も生じます。健全な家族システムの構築のために、まずはあなた自身が、家族から自立することを目指しましょう。
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