多世代療法とは
トラウマの世代間連鎖について
トラウマの世代間連鎖とは、個人が経験したトラウマが、その人の子どもや孫の世代など、後の世代にも続く現象のことを言います。暴力、苦痛、戦争、災害、失望など、さまざまなことから生じた苦痛が、解決されないまま家族間で保持されることで、非言語、また、言語のコミュニケーションによって、世代間で連鎖していきます。
ファミリーコンステレーションの創始者であるバート・へリンガーは、長い間ワークを通して家族の秘密が世代間連鎖することを語ってきました。近年の脳神経科学で明らかになっているトラウマの遺伝や近い人への影響は、心理の分野においては、すでに長年知られていたことであり、その意味では、ようやく科学が追いついてきたとも言えます。
問題となるのは、トラウマそのものではなく、子どもが親や祖父母のトラウマの影響を直接的または間接的に受けることで、子どもたち自身もトラウマの症状を経験する可能性が高いということです。
ここには無意識の及ぼす作用が大きく関わっていて、本人が意識で望んでいるかどうかは、関係ありません。
多世代療法の効果
そんな世代間連鎖するトラウマを解いていくものが多世代療法です。多世代療法は、自己と家族の関係性を探り、解放し、癒すための強力なセラピーです。
多世代療法は、私たちの家族の絆を癒し、より健全で満足のいく人間関係を築く道を開いてくれます。この素晴らしいセラピーは、私たちの無意識にある家族システムの抗えないダイナミクスを解体し、根深い問題やパターンを浮がび上がらせます。
多世代療法では、クライアントは自分自身や家族のメンバーを代表する人々を顕在化させ、無意識に潜む家族システムの中の関係やエネルギーの流れを視覚的に表現します。そうすることで、未解決の問題、トラウマ、ブロックなどが、目の前に自然と浮かび上がってきます。
愛に溢れた共同作業
セラピストは、クライアントの内なる感覚や直感を尊重しながら、家族システムにおけるバランスを観察し、言語や動作によってもつれを解くサポートをします。未解決の問題や感情的な負荷が解消されると、クライアントがより健全な自己イメージや自己認識を築くことができるようになります。
このプロセスは非常に深く感動的なもので、家族の数だけ、物語が存在します。その物語を目撃し、体験することは、本人だけではなく、参加者全体にも気づきと感動を与えます。この深く大きなダイナミクスの中で、しばしばクライアントは、セラピストの意図を超えた場所で、深い洞察を受け取ります。
家族の調和は、個人の成長と意識の進化に貢献するだけでなく、家族全体の健康と絆を回復する力を持っています。人が持つそんな素晴らしい可能性を開花させる多世代療法は、決して受け取るだけのセラピーではなく、心の癒しと成長の旅を歩むための愛に溢れた共同作業と言えます。
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