トラウマヒーリングとは
トラウマとは
「トラウマとは私たちに生じるものではなく、共感的な目撃者不在の状態で、私たちが内側に抱えているものである」ピーター・ラヴィーン
この言葉が説明するように、トラウマとは、外側から判断できるものではなく、あくまでも本人の内側で生じた身体的、また、生理的現象です。
また、トラウマの影響は、長期間にわたって本人の人生に影響を及ぼします。それは、身体生理的反応から、関係性の課題、また、自己イメージまでに及び、本人を苦しみや生きづらさの中に閉じ込め続けます。
近年の脳神経科学の研究結果によって、それがどれほど神経系やホルモンに影響を与えているかが明らかになってきました。
また、2018年に複雑性PTSD(C-PTSD)が新たな診断項目として追加されたことは、トラウマを理解する上で、とても重要な意味があります。
複雑性PTSD(C-PTSD)とは
PTSDのように、事故や事件、戦争体験などによるトラウマではなく、長期間に渡って継続する精神的、身体的ショック、また、周囲の関係性に巻き込まれたり、保護者から条件付けの愛やコントロール、裏切りや見捨てられを受けたことによって発症する症状です。
このような長期間に渡るストレスや苦痛によって、自律神経の問題やその他の様々な心身症が引き起こされたり、健全で良好な人間関係や自己実現の困難さが生じます。また、本人の中には、強い自己嫌悪や恥の意識がありますが、それらは意識化されていないこともあります。
複雑性PTSDの原因が、本人の記憶になかったり、その緊張状態が本人にとっては当たり前にになってる場合も多く、症状との因果関係がわからず、長年放置されている場合がほとんどです。
子ども時代から常に生きづらい、いつも人の言動に敏感で人間関係がうまくいかない、消えてしまいたいと感じているという人が、実は複雑性PTSDを発症しているというケースは珍しくありません。
トラウマからの回復は可能
複雑性PTSDからの回復には、身体的、生理的に抑圧された情動エネルギーを解放するトラウマヒーリングが有効です。
効果的な方法はたくさんあり、アクティブ瞑想やブレスワーク、ダンスワーク、また、インナーチャイルドとの対話によって涙を流すこと、深い悲しみや喪失を安心の中で再体験すること、また、多世代療法によって機能不全家族の状態を整え、意識的な自立を選択することなどが有効です。
大切なことは、抑圧された情動の発見とその身体的解放を合致させることです。過去の記憶を思い出すことは大事ですが、それだけでは解放は起こりませんし、トラウマヒーリングに必ずしも記憶を思い出すことが必要なわけではありません。また、身体的アプローチが運動になっているだけでは、単なるエクササイズどまりで、解放は生じません。
なるべく1つの手法にこだわらず、適切なタイミングで、様々な手法を掛け合わせていくアプローチが、心と体の反応を柔軟にします。
知識の習得や思考を整えるやり方は、トラウマヒーリングの準備段階としては必要ですが、情動を解放しないままそれらを継続すると、防衛を強めるため、トラウマからの回復が遅くなる場合がありますので、注意が必要です。
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